屋根の劣化が目立ってきたため、屋根点検と、場合によっては葺き替えを検討したいというご相談をいただきました。
K様のお宅は築50年超とのこと。これまで一度も本格的なメンテナンスをされてこなかったという状況です。日本瓦屋根は平均寿命が50年前後と非常に長持ちする素材ですが、まさにこのタイミングでの点検・検討は非常に重要かつ適切なご判断だと考えます。
長寿命の瓦屋根でも「定期点検」が欠かせない理由
瓦屋根は耐久性が高く長持ちする傾向がありますが、築50年超という年数を経ていれば、必ずどこかに経年劣化や天候による負担が蓄積しています。葺き替えの判断を含め、まずは現状を正しく把握するための定期的な屋根点検が不可欠です。
その具体的な理由を改めてお伝えします。
1.早期発見・予防メンテナンス: 小さなひび割れやズレといった初期の損傷を点検で発見し、修理することで、大規模な葺き替えや高額な修理費用を未然に防ぎ、屋根の寿命を最大限に延ばすことができます。
2.漏水の徹底的な予防: 屋根のわずかな隙間から水が侵入すると、建物内部の木材の腐食やカビにつながり、家の構造体全体に深刻なダメージを与える可能性があります。点検は漏水の兆候をいち早く見つけるための最も確実な方法です。
3. 強風・天候による影響の確認: 瓦そのものが頑丈でも、台風や強風、積雪、紫外線といった厳しい気象条件により、瓦を固定している**漆喰や内部の防水シート(ルーフィング)**などが確実に劣化しています。特に築50年超の場合、この防水シートの機能が低下している可能性が高く、点検で現状を把握することが必要です。
4.保険・資産価値の維持: 定期的な点検と必要なメンテナンスは、災害時の火災保険の適用に必要な要件となる場合があります。また、建物の適切な状態を保つことは、将来的な資産価値の維持にもつながります。
K様のように葺き替えをご検討の場合でも、まずは専門家による詳細な点検で、**「部分的な補修で済むのか」「葺き替えが本当に最善の選択か」**を見極めることが重要です。
【K様への具体的なご提案】
築50年超という状況を鑑み、まずは屋根に上がって内部の防水層の状態までを確認できる**「詳細点検」**を実施させていただきたく存じます。その結果に基づき、最適な補修案、または葺き替え案をご提案いたします。
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