
スタッフより
昨日の続きになります。
室内側からセルロースファイバーを取り外し、結露の痕跡を見てみると、通気
スペーサーの隙間から水が流れ落ちていることが判明しました。
取り外したセルロースファイバーをポリ袋に入れて日射に約30分当てると、
ポリ袋の内側に水滴が大量に付着しました。調査時点でもセルロースファイバーはかなり水蒸気を
含んでいたため、「蒸し返し現象」(日射で暖められて水蒸気が放出する)が発生しました。
水蒸気が外気で冷やされ、ポリ袋の内側で結露したのです。
屋根まわりの部材にこのような著しい結露が見つかるケースは珍しくありません。
水蒸気は発生個所や同じ場所に停滞せず、圧力の高い方から低い方や絶対湿度の高い方から低い方に向かって移動します。屋根まわりは日射の影響で温度が高くなりやすく移動して集まってきた水蒸気を多く抱え込めるからです。
屋根まわりの湿気の主な原因は施工時の養生不足で建材が雨水を吸収することにあると考えられます。室内側の壁と天井に防湿層を設置していなかったことも、
日常生活で生じる水蒸気を壁体内に浸入しやすくしています。
片流れ屋根の水上側と水下側に小さく張り出した軒天井を外側から解体しました。
するとあらわになった垂木に結露の痕跡が見つかりました。
結露跡をたどると、軒天井に軒裏換気部材を設置していない部分に著しく
広がっており、設置した部分ではありませんでした。
今回のケースでは通気スペーサーによって垂木間の経路はつくられていましたが、入り口と出口に当たる軒裏換気部材の設置個所は軒天井の一部に限られていました。通気層は通気の入り口、経路、出口の3つがそろって効果を発揮します。
そのため軒裏換気部材を設置していた垂木間の経路しか確保できておらず、それ以外の閉塞した経路で水蒸気がたまり、結露が発生しました。
その影響で軒天井材が剥落したと推定されました。
明日に続きます。
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