外壁通気層には、大きく分けて2つの役割があります。
1つ目は、外壁側から侵入した雨水を止水面で受け止め、外へ排出する役割です。
2つ目は、室内側から発生した水蒸気を外へ逃がし、壁内結露を防ぐ役割です。
外部からの止水と、内部からの排気。
この2つの役割を常に意識しながら、外壁まわりの施工方法を考えることが大切です。
外壁通気層は雨水を排出する役割を持つ
外壁材の表面だけで、雨水を完全に止めることは簡単ではありません。強い雨や風が当たると、外壁材の継ぎ目や隙間から雨水が入り込むことがあります。
そのため、外壁の内側には透湿防水シートなどで止水面をつくり、入り込んだ雨水を受け止めて外へ排出する仕組みが必要です。
ここで重要になるのが、止水面の施工順序です。
止水面は、基本的に下から上へ向かって施工します。上から流れてくる雨水を室内側へ入れないためには、上部に施工する透湿防水シートが、常に下部のシートを覆うように重ねられていなければなりません。
この考え方は、透湿防水シートだけでなく、防水テープやその他の防水部材にも共通する基本です。
透湿防水シートは重ね方が重要
透湿防水シートは、ただ張ればよいというものではありません。雨水が上から下へ流れることを前提に、重ねる順番や重ね幅を考えて施工する必要があります。
もし上側のシートが下側のシートの内側に入ってしまうと、上から流れてきた雨水がシートの裏側へ入り込み、壁の内部へまわってしまう可能性があります。
防水テープも同じです。開口部まわりや取り合い部では、雨水の流れを考えながら、下から上へ、外へ排出されるように施工することが大切です。
外壁通気層は壁内の湿気を逃がす役割もある
外壁通気層のもう1つの役割は、室内側から発生した水蒸気を外へ排出することです。
住宅の内部では、生活によって水蒸気が発生します。湿気が壁の中へ入り込むと、温度差によって壁内で結露することがあります。これが壁内結露です。
壁内結露が続くと、断熱材の性能低下や木材の腐朽、カビの発生につながることがあります。そのため、壁の中に入り込んだ湿気を外へ逃がす通気経路が必要になります。
通気経路は胴縁の配置で決まる
室内側からの湿気を排出するためには、通気経路を確保することが重要です。これは主に、胴縁の配置や仕様によって決まります。
胴縁の配置が悪いと、室内側から出てきた水蒸気が行き場を失い、通気層内で滞留してしまうことがあります。湿気が通気層の中にこもると、結露やカビ、外壁内部の劣化につながるおそれがあります。
また、胴縁の厚みは、そのまま通気層の奥行きになります。通気層が十分に確保されていなければ、空気がスムーズに流れにくくなります。
外壁の一部だけを見るのではなく、住宅全体で空気がどこから入り、どこへ抜けるのかを考えて、通気層の仕様を検討する必要があります。
雨漏りと結露を防ぐには基本原則の理解が大切
外壁通気層には、雨水を排出する役割と、湿気を逃がす役割があります。どちらか一方だけを考えても、十分な性能は得られません。
雨水に対しては、止水面を正しく形成し、外へ排出できる納まりにすること。
湿気に対しては、通気経路を確保し、壁内に水蒸気を滞留させないこと。
この2つを理解したうえで施工することが大切です。
個別の注意点や具体的な仕様は数多くありますが、基本的な原理と構造を正しく理解していれば、それぞれの納まりの意味も分かりやすくなります。
まとめ
雨漏りや壁内結露のリスクを最小限に抑えるためには、適切な納まりと施工方法を選び、現場での不備や不具合をなくすことが重要です。
一つひとつの対策は、決して特別に難しいものではありません。
しかし、透湿防水シートの重ね方、防水テープの施工順序、胴縁の配置、通気経路の確保など、基本をおろそかにすると雨漏りや結露の原因になります。
外壁通気層は、外から入った雨水を外へ逃がし、内側からの湿気も排出するための大切な仕組みです。基本原則を正しく理解し、現場で丁寧に施工することが、長く安心できる住まいづくりにつながります。
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