DIYで雨漏りを直すのは危険?増加する自宅補修トラブルと正しい備え方

全国的に豪雨や突風による住宅被害が増え、災害への備えを事前に考える方が年々多くなっています。とはいえ、その一方でよく聞くのが「わざわざ業者に頼むほどではない気がする」「DIYで何とかできるのでは?」という声です。

実際、弊社にも「応急処置なので自分でやりたい」「ホームセンターの商品で代用できませんか?」といったご相談が多く寄せられます。台風の時だけ床に水が漏れるケースでは、“軽い不具合”に感じてしまいがちで、すぐに大掛かりな工事を考えにくいのは当然のことかもしれません。

ただし、手軽さを優先しすぎると間違った補修が原因で被害が悪化してしまうこともあります。実は近年増えているのが、DIY補修や格安修理に飛びついた結果「雨漏りが再発する」「別の場所が壊れる」などの二次トラブルです。

DIYで雨漏り補修が失敗しやすい理由

雨漏りは“見えている場所=原因”とは限りません。外壁の小さな隙間、屋根材の下、サッシ回り、ベランダ防水、樋の破損など、複数の経路をたどって室内へ到達します。目に見える部分だけを塞いでも、根本的な侵入経路が残っていれば、すぐに再発します。

また、「防水タイプの塗料を塗れば止まるのでは?」という質問も多いのですが、防水塗料はあくまで表面保護であり、構造的なひび割れや雨仕舞い不良は改善できません。特に地震の多い日本では、建物の揺れで塗膜が割れ、わずか数年で再び雨水が入ることも珍しくありません。

軽微な修理で済ませたい場合の考え方

もちろん、「予算的に大掛かりな修理は難しい」というケースもあるでしょう。そんな場合でも、まず行うべきは雨漏り原因の特定です。原因を明確にした上であれば、完全な葺き替えが難しくても、

  • ひび割れ部のみの部分補修
  • 次回の塗り替えまでの“つなぎ”となる仮防水処理
  • 防水層の補強や簡易シーリング

といった費用を抑える施工方法も選択できます。

逆に、原因を調べずに表面的な応急処置だけを行うと、内部の木材が湿り続けて腐食したり、白アリの発生につながったりと、結果として負担が大きくなるケースが非常に多いのです。

まとめ

災害に備えてあれこれ

自然災害が増える今、「できることは自分で」と考える気持ちはよく分かります。しかし、雨漏りは見えない場所で進行し、誤ったDIYが被害を広げる難しい分野です。小さな症状でも放置せず、まずは原因の特定をすることが、無駄な出費を防ぐ最善の方法と言えます。

この記事の監修者

株式会社 LOVE STYLE
代表取締役 阿部 泰三

雨漏り修理・雨桶工事・屋根工事業者として工事に携わり30年以上。工事監督などの実績を持つ「株式会社 LOVE STYLE」の代表取締役。

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