瓦屋根の雨漏り原因は防水シートの劣化。早期交換が建物を守る鍵となる

雨漏りのご相談をいただきました。現場に伺うと、「小雨では問題ないが、大雨になると雨漏りが発生する」という状況です。

K様宅の屋根は瓦屋根ですが、目視による外観点検を行った結果、屋根の防水シート（ルーフィング）が露出して劣化している箇所を確認いたしました。

瓦屋根における雨漏りのメカニズム
一般的に、屋根からの雨漏りは瓦のずれや割れが原因と思われがちですが、建物の防水性能を支えるのは、瓦の下に敷設されている**防水シート（ルーフィング）**です。

屋根の構造は、下地材である野地板の上に防水シートが貼られ、その上に瓦が葺かれています。この防水シートが劣化・損傷すると、雨水が建物内部へ浸入する主要な経路となってしまいます。

【防水シート劣化が雨漏りを引き起こす4つの理由】
防水シートが紫外線や寒暖差などの外部環境にさらされ、劣化することで、本来の防水機能が失われます。特に以下の要因が雨漏りの発生を高めます。

漏水経路の形成: 劣化によりシート表面に微細な穴や割れが生じ、瓦の下に浸入した雨水が建物内部へ直接流れ込む経路を形成します。

防水性能の喪失: 防水シートは水を密にシールするために設計されていますが、劣化すると撥水性や柔軟性が低下し、水を適切に防ぐことができなくなります。

密着性の低下と浸水: シートと屋根下地材との密着性が低下することで、雨水がシートと下地の隙間に入り込み、横方向に伝って広範囲の雨漏りを引き起こすリスクが高まります。

気象条件による加速: 長期間にわたる直射日光（紫外線）、雨、風、繰り返される寒暖の変化といった過酷な外部条件が、シートの劣化を加速させる主因となります。

結論とご提案
今回のK様宅の事例のように、防水シートの劣化は雨漏りの主要な、そして根本的な原因となります。

雨漏りを予防し、建物を守るためには、定期的な屋根の点検を実施し、劣化が確認された防水シートは速やかに交換することが不可欠です。