バルコニーの手摺部分(笠木)の老朽化による交換のご依頼をいただきました。
バルコニーの**「笠木(かさぎ)」**とは、手すりや腰壁などの頂部に施工される仕上げ材のことです。その名前は、鳥居や門の上部にある横木(冠木)に由来しています。
笠木は、一見するとシンプルな構造に見えますが、実は雨水を適切に排水し、バルコニーの内部構造を保護するという非常に重要な役割を担っています。
2. 笠木の役割と劣化の危険性
笠木には、雨水を地面に向けて流すための適切な傾斜がつけられており、これにより水たまりやバルコニー床の損傷を防いでいます。
構造的には、外壁と同様に細かな防水措置が施されています。外装材の下には通気層や透湿防水シート、さらに見えない部分には防水紙の二重貼りや防水テープ、そして笠木の隙間にはシーリングが施されるなど、幾重にも防水対策が講じられています。
しかし、バルコニーは雨水や紫外線を非常に強く受ける過酷な場所であるため、笠木は劣化が激しく進行しやすい箇所です。この笠木の劣化を放置すると、継ぎ目などから雨水が浸入し、内部の木材が腐食(雨漏り)してしまうため、注意が必要です。
3. 具体的な補修・交換の方針
笠木の補修は、傷み具合によって対応が変わります。
軽微な場合: 笠木を固定しているビスや釘の頭のシーリングをやり直し、浸水の様子を確認します。
重度の劣化または雨漏りが止まらない場合: 浸水により下地の木材が腐食している可能性が高いため、笠木本体だけでなく、下地材からの交換が必要となります。
【今回の交換工事の方針】
M様邸の笠木交換にあたり、徹底した耐久性の向上を図ります。
下地材の交換と強化: 腐食した下地材を撤去し、防腐剤を用いた新しい下地材に交換します。
耐食性の高い部材の採用: 新しい笠木には、腐食しにくいアルミ製を推奨し、固定用のスクリュービスなどもステンレス製を使用します。
徹底した防水処理: 板の継ぎ目には再度シーリングを施し、雨漏りしにくく、腐食に強い笠木へと刷新します。
このリニューアルにより、バルコニーの安全性が向上し、安心してご利用いただけるようになります。
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