屋根を支える重要な構造部材のひとつに「屋根垂木(やねだるき)」があります。
普段は完成後に見えにくい部分ですが、屋根の強度や耐久性、さらには雨漏りのリスクにも深く関わる非常に重要な部材です。
これから家を建てる予定の方や、屋根リフォーム・修繕を検討している方にとって、屋根の構造や素材を理解することは大きなメリットになります。

□屋根垂木の基礎知識
1:垂木とは
垂木とは、屋根の下地となる「野地板」を支えるために、斜め方向に取り付けられる細長い木材のことです。
屋根の頂点に位置する棟木(むなぎ)から、最下部の桁(けた)に向かって一定間隔で配置され、屋根全体の骨組みを形成します。
わかりやすく言うと、屋根の形状や勾配を決める「屋根の骨」となる部材で、垂木が正しく配置されてはじめて、野地板や屋根材を安定して施工することができます。
一般的に、屋根の勾配に合わせて角度を付けて取り付けられます。
2:垂木の役目
垂木が適切に施工されていないと、屋根面に凹凸や歪みが生じやすくなります。
その結果、屋根材のズレや浮きが発生しやすくなり、雨漏りの原因となることもあります。
また、野地板をしっかり固定できなくなるため、台風や突風などの強風時に屋根が破損するリスクも高まります。
特に一般的な切妻屋根や寄棟屋根など、いわゆる三角屋根構造の住宅では、垂木は屋根全体の強度を左右する非常に重要な部材といえるでしょう。
3:垂木の材質
垂木は主に木材が使用されており、強度・耐久性・コストなどを考慮して選定されます。
住宅で一般的に使用される主な木材は以下の通りです。
- 構造用集成材
複数の木材を貼り合わせて作られており、反りや割れが起こりにくく、強度と安定性に優れています。住宅の構造材として広く使用されています。 - SPF材
北米産の針葉樹で、軽量かつ比較的安価で入手しやすいのが特徴です。コストを抑えたい場合によく使用されます。 - ヒノキ
国産材で、耐久性・耐水性・防虫性に優れており、香りの良さも特徴です。高品質な住宅で使用されることが多い木材です。 - 杉
国産材で軽量かつ加工がしやすく、扱いやすいのが特徴です。用途や設計条件によって採用されます。
4:垂木の種類
垂木には、大きく分けて次の2種類があります。
- 構造用垂木
屋根の荷重を支えることを目的とした垂木で、十分な強度と耐久性が求められます。 - 化粧垂木
屋根の外観デザインを重視した垂木で、軒先などで意匠的に見せるために使用されます。
構造用垂木は太く丈夫な木材が使われる一方、化粧垂木は木材の種類や仕上げ方法など、見た目に配慮した加工が施されるのが特徴です。
□屋根の種類別の垂木の選び方
1:スレート屋根の場合
スレート屋根で一般的に使用される垂木の寸法は「6×4.5cm」です。
スレート屋根は軽量で、現在もっとも普及している屋根材のひとつです。
ただし、壁面から張り出す「軒の出」が長い場合は、下から支える柱がないため、垂木にかかる負荷が大きくなります。
そのため「7.5×4.5cm」や「9×4.5cm」など、より太い垂木が採用されるケースもあります。
2:ガルバリウム鋼板屋根の場合
ガルバリウム鋼板屋根で使用される垂木の寸法は「7.5×4.5cm」が一般的です。
スレート屋根よりやや重量があるため、垂木も太めに設計される傾向があります。
なお、ガルバリウム鋼板には種類や加工方法によって重量差があるため、使用する屋根材の重さを確認したうえで、垂木寸法を検討することが重要です。
3:瓦屋根の場合
瓦屋根で使用される垂木の寸法は「7.5×6cm」が一般的です。
瓦は1枚あたりの重量が重く、使用枚数も多くなるため、垂木には高い強度が求められます。
軒の出が長い場合は、「9×6cm」や「10.5×6cm」など、さらに太い垂木が採用されることもあります。

□まとめ
屋根垂木は、屋根材を支えるだけでなく、屋根全体の耐久性や安全性を左右する非常に重要な部材です。
屋根の種類や構造、軒の出の長さ、デザイン、予算などを総合的に考慮し、適切な垂木を選定することが、長く安心して暮らせる住まいづくりにつながります。
屋根工事やリフォームを検討する際は、屋根材だけでなく、その下にある構造部分にも目を向けることが大切です。
本記事を参考に、屋根垂木について正しく理解し、快適で安全な住まいづくりにお役立てください。
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