今回は、雨漏りや住宅の品質に関わる制度として知っておきたい「住宅品確法」と「住宅性能表示制度」についてご紹介します。
目次
住宅品確法とは
住宅品確法とは、正式には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」といい、2000年4月より施行された法律です。
この法律は、住宅の品質を確保し、購入者や住まい手が安心して住宅を選べるようにすることを目的としています。住宅の性能を分かりやすく比較できるようにするため、「住宅性能表示制度」が新設され、性能評価の基準が設けられました。
雨漏りに関係する部分としては、屋根、外壁、開口部など、雨水の侵入を防止する部分が重要になります。
住宅性能表示制度と雨漏りの関係
住宅性能表示制度では、住宅の性能を共通の基準で評価します。評価項目の中には、雨漏りや建物の劣化に関係するものとして「劣化の軽減」があります。
劣化の軽減とは、住宅を長く良い状態で保つために、構造部材などの劣化をどれだけ抑えられるかを示す項目です。
たとえば、外壁通気構法などを採用することで、壁の内部に湿気がこもりにくくなり、構造部材の劣化を軽減しやすくなります。通気構法は、雨水の侵入を防ぐ効果だけでなく、万が一入り込んだ湿気を外へ逃がし、建物内部の傷みを抑える役割も期待できます。
その結果、建物の耐久性や構造の安定性を確保しやすくなるのです。
住宅性能表示制度を利用するメリット
住宅性能表示制度を利用することで、住宅の性能を客観的に把握しやすくなります。主なメリットは次の通りです。
まず、共通の基準によって住宅の性能が分かるため、住宅同士の比較がしやすくなります。性能が数値や等級で示されることで、購入者や施主にとって判断しやすくなるのが特徴です。
また、基準が共通しているため、事業者との間で解釈の違いが起こりにくくなります。住宅の性能について、感覚的な説明だけでなく、制度に基づいた説明を受けられる点は大きな安心材料です。
第三者機関による評価を受けられる
住宅性能表示制度では、第三者機関である住宅性能評価機関が、評価方法基準に基づいて住宅の性能を確認します。
設計段階では、図面などをもとに「設計住宅性能評価書」の交付を受けることができます。さらに、施工段階でも検査を依頼することで、図面通りに施工されているかを確認してもらうことができます。
このように、建築基準法の検査に加えて、住宅性能評価機関の評価員による確認を受けられるため、欠陥住宅の発生を未然に防ぎやすくなります。
契約内容として性能を明確にできる
設計住宅性能評価書、またはその写しを契約書に添付すると、評価された性能を実現することが契約内容とみなされます。
つまり、「この性能を持つ住宅として契約した」という内容が明確になり、後々のトラブル防止にもつながります。
住宅の性能は、見た目だけでは分かりにくい部分が多くあります。雨漏り対策や劣化対策も、完成後に表面から確認するのは簡単ではありません。だからこそ、設計段階や施工段階で性能を確認しておくことが重要です。
トラブル時の紛争処理にも役立つ
建設住宅性能評価書が交付された住宅で、引き渡し後にトラブルが発生した場合、住宅紛争処理機関による調停や仲裁を利用できる場合があります。
雨漏りや施工不良などのトラブルは、原因の特定や責任の所在で話し合いが難しくなることがあります。そのようなとき、第三者機関の評価書があることで、解決に向けた手続きを進めやすくなる可能性があります。
保険や住宅ローンの優遇につながる場合もある
住宅性能表示制度を利用することで、条件によっては地震保険料の割引を受けられる場合があります。特に、耐震等級に応じた割引が適用されることがあります。
また、民間金融機関の住宅ローンで優遇を受けられる場合もあります。さらに、建設住宅性能評価と住宅瑕疵担保責任保険を同時に申し込むことで、保険料が割引されるケースもあります。
住宅の性能が客観的に評価されることで、将来的な資産価値の維持にもつながることが期待されます。
雨漏り対策は制度と施工品質の両方が大切
住宅品確法や住宅性能表示制度は、住宅の品質を分かりやすく確認するための大切な仕組みです。
ただし、制度を利用しているからといって、すべての雨漏りを完全に防げるわけではありません。実際の施工品質や、屋根・外壁・開口部まわりの納まり、定期的なメンテナンスも非常に重要です。
特に雨漏りは、屋根や外壁の表面だけでなく、防水シート、通気層、開口部まわりの施工など、複数の要素が関係して発生します。
住宅を長く安心して使うためには、新築時の性能評価だけでなく、住み始めてからの定期点検や早めの補修も欠かせません。
まとめ
住宅品確法によって、住宅の性能を共通の基準で評価する住宅性能表示制度が整えられました。
この制度を利用することで、住宅の性能を比較しやすくなり、施工段階で第三者の確認を受けられるなど、さまざまなメリットがあります。雨漏りに関係する部分では、屋根、外壁、開口部、防水処理、通気構法などが重要になります。
雨漏りを防ぐためには、制度による評価と、実際の施工品質、そして定期的なメンテナンスを組み合わせることが大切です。
住まいの雨漏りや屋根・外壁の劣化が気になる場合は、早めに専門業者へ相談し、現在の状態を確認しておくことをおすすめします。
この記事の監修者

株式会社 LOVE STYLE
代表取締役 阿部 泰三
雨漏り修理・雨桶工事・屋根工事業者として工事に携わり30年以上。工事監督などの実績を持つ「株式会社 LOVE STYLE」の代表取締役。
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