お客様からのご相談
雨が浸入した軒先コーナー部を見ると、金属屋根の軒側で唐草水切りをつかみこんだ後、けらば側の板金をつかみこむという、いわゆる「けらば勝ち」の納まりになっていました。つかみ込むとは、唐草水切りの端で立て平ぶき屋根の先端を折り曲げ連結させて締め込むことです。真正面から見るとつかみ込む小口部が確認できます。浸入口はこのつかみ込み小口部であることが分かります。板金と板金の隙間から毛細血管現象で金属屋根の水上側に吸いあがったまず雨水がつかみ込み小口部から浸入し金属屋根の裏面と唐草水切りの間を水上側へ浸入、というのが今回の雨水の浸入経路になります。その後、一部はルーフィングの下へ浸入して野地板を濡らし、残りはさらに水上側へ浸入。パラペットの直交する2つの壁と野地板が交わる3面交点の位置で、防水シートの合わせ目に生じた隙間を通って浸入して柱が腐朽したと考えられます。改修工事では3面交点からの雨水浸入を防ぐために下地からの対策が必須です。まず片流れ屋根に面したパラペットの壁に下地合板設置。元は投資る防水シートしかなかったのですが、下地合板によって小屋裏への浸入を防ぐためです。そのうえで面戸面の取り合い部を防水テープで次に壁の防水シートと屋根のリーフィング設置。そこにできる好転の隙間も防水テープで塞ぎました。その後、片流れ屋根とパラペットの取り合い部に雨押さえ水切りをこれによって屋根材を流れる雨水は交点から離れることにまた、設置した雨押え水切りと金属屋根の取り合い部にも隙間ができるので、シーリング処理を施しました。こうすることで、仕上げ壁を設置しなくても雨漏りは防げます。浸入口となった「けらば勝ち」のつかみ込み部は、軒先勝ちに修正しました。最後にALC外壁やパラペットの笠木設置。











