防水層不良で発生した雨漏り修理の事例

R様から雨漏りの連絡がありました。バルコニー床の外壁立ち上がり部から雨水が侵入し、2階床で漏水していたことが分かりました。調べてみますと、バルコニー床から外壁の立ち上がり部までFRP防水がなされていたのですが、サッシ枠とFRP防水層の取り合い部に施工不良があり、雨水が侵入する原因となっていたのです。バルコニー床からサッシ下枠までの間隔が非常に短く、外壁の立ち上がり部にFRP防水を施すのが困難だったからだと思われます。FRPがアルミサッシ枠から剥離した箇所も確認されました。アルミの表面塗膜にFRPは接着せきません。このため、FRP硬化後に開閉振動などが加わるとDRPは容易に剥離してしまうのです。などは一時的に、サッシと接着して防水施工が完成しているように見えるのですが、サッシ下枠との接触部で防水層が損なわれており、雨水侵入トラブルのもとになりやすいのです。理想的な納まりはというと、バルコニー床からサッシ下枠までの立ち上がり部の寸法は120ｍｍ以上は確保することです。アルミ製サッシとFRP接触部は特に注意が必要になります。FRP剥離による雨水侵入を防ぐためには、FRP防水層は下地となる防火板の上端までとし、サッシとの接触部にはシーリングしろも設けます。バックアップ材を充填後、シーリングによってアルミ製サッシとFRPを接着するのです。窓台には先張り防水シートを取り付けるなど、バルコニーと立ち上がり部と窓台を一体とした止水面をつくるよう心掛けます。サッシ下枠と外装材の間のシーリングだけに頼らない防水構造が望まれます。