スタッフより
昨日の続きになります。
壁内だけではなく、通気を確保できている床下でも、19年に
結露の調査件数が急増しました。1階の床面積が広い住宅の
中央部付近では、特に空気が滞留しやすいのです。8月ごろに
床下に入ると、こうした住宅ではかなり高い確率で結露が発生
していました。床下では、結露の水分によって大引きなどの
木部にカビが発生しやすくなります。カビの胞子が床の隙間
から1階の室内へ入る恐れもあります。
人が普段使わない床下だから問題ないと主張する施工者が
いるかもしれませんが、それは明らかに誤りです。住宅に
カビが発生すると、健康被害を引き起こすこともあります。
そして修理は避けられません。
被害が軽微であっても、石膏ボードの張替え、柱などの木部の
カビの除去、換気扇ダクトの交換など、大掛かりな補修となる
場合が多いです。住民の健康被害の症状がひどく、内部仕上げの
全撤去、さらには建て替えになったケースさえあります。
結露やカビの被害で裁判になるケースも増えてきています。
そうした場合、たいていは、施工者は、住まい手に原因があると
主張します。しかし、弊社が見てきた例では、何らかの施工不備
が原因であることがほとんどでした。
19年のようなカビが発生しやすい気象となる傾向は、今後も
続くと予想されます。結露やカビの対策について、設計・施工者
にとっては、自社の設計仕様や施工マニュアルを見直すことが
必要でしょう。小屋裏や床下、壁内などが水蒸気をため込まない
構造になっているか確認をお願いしたいです。
結露は、カビを発生させて健康被害をもたらし、その程度によっては
躯体を腐朽させる現象にもなりえます。工務店、設計事務所などは、
そういった対策を怠らないで欲しいと、切に願います。