昨年から今年にかけて、これまで以上に多く寄せられているのが
「天井にシミが見えるのですが、雨漏りでしょうか?」というお問い合わせです。
気象情報が細かく報道されるようになったことで、ご自宅の状態に関心を持つ方が
一段と増えたことが背景にあります。
しかし、天井のシミ=すべて雨漏りとは限りません。
ここを誤解したまま焦って工務店に依頼すると、
不必要な工事を提案されてしまうケースも実際にあります。
天井にシミができても“雨漏りじゃない”ことがある理由
天井のシミには、雨漏り以外の原因がいくつも存在します。
まずは慌てず、正しい原因を知ることが大切です。
加湿器による結露(最も多い事例)
冬場に加湿器を使用している場合、湿気が天井裏に溜まり、
そこで結露→カビ→シミが発生することがあります。
これは雨漏りと非常に似た見た目になります。
小動物の侵入による糞尿の染み
ねずみ・ハクビシンなどが天井裏に入り込み、
糞尿が染みとなって表面に現れるケースもあります。
臭いが特徴的で、放置すると断熱材の劣化にもつながります。
天井材そのものの劣化
現在主流の化粧合板(ラミネート天井材)は、
木目プリントを接着剤で貼り付けた構造になっています。
劣化で接着剤が変色すると、雨漏りのような“シミ”として表面に出てきます。
こうしたケースは、見た目だけでは判断がつかず、
「雨漏り」と決めつけて高額工事をされてしまうトラブルも少なくありません。
正しい原因特定のための調査方法
弊社では、まず目視で確認したのち、
次のような専門機器を使って原因を特定します。
- 赤外線カメラ … 温度差から雨水の流れや湿気の溜まりを可視化
- 水分計 … 天井裏の含水率を測り、雨水か結露かを判別
- 屋根・外壁の外部点検 … ひび割れ・板金の浮き・樋詰まりなども確認
まとめ:天井のシミは“焦らず・決めつけず”原因特定を
天井にシミを見つけると不安になるものですが、
雨漏り以外の理由で発生するケースは予想以上に多くあります。
大切なのは、工事前に必ず原因調査を正確に行うこと。
それだけで無駄な工事や間違った修理を避けることができます。
不安を感じたら、まずは専門調査をご利用ください。
判断を誤らなければ、早期発見・早期改善につながります。
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