ALC外壁に石材調仕上げ塗材を施工したことで雨漏りが発生した事例

施工前の写真 ボツボツ外壁

before

施工後の写真 ALCの外壁

after

ご住所
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ご依頼内容
雨漏り
使用材料
ALC目地用シーリング材 外壁補修材 防水処理用プライマー

お客様からのご相談

G様より、外壁からの雨漏りについてご相談をいただきました。

G様のお住まいは、外壁にALCパネルが使用されている建物です。以前から外観の劣化が気になっていたため、ある塗装業者に外壁塗装を依頼されたそうです。

その際、塗装業者から勧められたのが、石材調仕上げ塗材による塗装工事でした。石材調仕上げ塗材とは、樹脂の中に着色した陶磁器質の骨材や、粉砕した天然石などを混ぜた塗材です。吹付ガンで施工することが多く、火山岩の断面のような凹凸のある重厚な仕上がりになります。

骨材や天然石を含むため、一般的な塗装に比べて塗膜が厚く、見た目にも高級感があります。塗装業者からは「一度塗れば、その後はメンテナンスがほとんど必要ありません」と説明されたそうです。

しかし、実際には外観上の劣化が目立ちにくいだけで、建物としてメンテナンスが不要になるわけではありませんでした。

石材調仕上げ塗材は本当にメンテナンスフリーなのか

石材調仕上げ塗材がメンテナンスフリーと説明される理由は、塗膜の表面を形成する骨材や天然石が無機系の素材であり、色あせが起こりにくいとされているためです。

また、通常の塗料のように均一な膜を形成するのではなく、細かな砂利が重なり合ったような状態で仕上がるため、細かなひび割れが目立ちにくいという特徴もあります。

つまり、見た目の美しさが長持ちしやすいという意味では、メリットのある塗材です。

しかし、防水性能や建物全体の維持管理という面では、決してメンテナンスフリーではありません。

特にALCパネルの外壁に施工する場合には、注意が必要です。

ALCパネルの目地が隠れてしまう問題

ALCパネルの外壁には、パネル同士の継ぎ目である目地があります。

この目地部分にはシーリング材が充填されており、建物の防水上とても重要な役割を担っています。

シーリング材は、年数の経過とともに硬化したり、ひび割れたり、剥離したりします。そのため、定期的な点検と打ち替えなどのメンテナンスが必要です。

ところが、石材調仕上げ塗材は塗膜が非常に厚いため、施工後はALCパネルの目地が完全に隠れてしまいます。目地の位置が見えなくなると、将来的にシーリングの劣化を確認しにくくなり、補修作業も難しくなります。

建物の形状やパネル寸法から、おおよその目地位置を推測することはできますが、正確な位置を把握するのは簡単ではありません。さらに、既存のシーリング材を撤去する際にも、厚く硬い塗膜が邪魔になり、カッターなどの工具がシーリング部分まで届きにくくなります。

シーリングの劣化を隠したまま塗装すると雨漏りにつながる

今回の雨漏りで問題だったのは、塗装前にシーリング材の更新が十分に行われていなかった可能性が高いことです。

ALCパネルの目地シーリングが劣化した状態のまま、その上から厚い石材調仕上げ塗材を吹き付けてしまうと、劣化部分が見えなくなります。一見きれいな外壁に仕上がっていても、その下ではシーリングの破断や剥離が進行している場合があります。

また、石材調仕上げ塗材は完全な防水膜を作る塗材ではありません。骨材が重なり合ったような構造のため、雨水が表面から浸透することがあります。

その雨水が、塗膜の下に隠れた劣化シーリング部分まで達すると、目地から建物内部へ水が入り込み、雨漏りにつながります。今回のG様邸でも、外壁表面は重厚できれいに見えていたものの、隠れた目地部分の劣化が原因となり、雨漏りが発生していました。

建物に完全なメンテナンスフリーはない

ステンレスなど、長期間にわたって劣化しにくい建材は存在します。

しかし、実際の雨漏りや劣化トラブルは、建材そのものよりも、建材同士の接合部や取り合い部分で発生することが多いものです。

外壁でいえば、ALCパネルの目地、サッシまわり、庇との取り合い、配管まわりなどが代表的です。どれほど耐久性の高い塗材を使用しても、こうした接合部やシーリング部分のメンテナンスが不要になるわけではありません。

今回のように、石材調仕上げ塗材で目地を隠してしまうと、後々の点検や補修が難しくなり、かえって雨漏りリスクを高めてしまうことがあります。

外壁塗装では、仕上がりの美しさだけでなく、下地の状態やシーリングの劣化状況、将来的なメンテナンスのしやすさまで考えて工法を選ぶことが大切です。

今回の工事では、雨漏りの原因となっていたALC目地まわりを確認し、必要な部分の補修と防水処理を行うことで、再発防止につなげました。

お客様の声

メンテナンスフリーと言われて安心していましたが、雨漏りの原因を詳しく説明してもらい、今後の点検の大切さがよく分かりました。

この記事の監修者

株式会社 LOVE STYLE
代表取締役 阿部 泰三

雨漏り修理・雨桶工事・屋根工事業者として工事に携わり30年以上。工事監督などの実績を持つ「株式会社 LOVE STYLE」の代表取締役。

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