築浅なのにベランダの排水溝から水が漏る原因と、FRP防水の落とし穴

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雨漏り

お客様からのご相談

「家を建ててまだ2年なのに、雨漏りがする…」

先日、築2年の木造住宅にお住まいのU様より、切実なご相談をいただきました。9月頃からベランダの排水溝付近で雨漏りに気がついたとのことです。

せっかくの新築マイホームで雨漏りが起きるなんて、普通なら信じられないショックですよね。しかし実は最近、新築や築浅物件でも雨漏りが生じるケースは決して珍しくありません。

今回は、なぜ築浅のベランダから雨漏りが発生してしまったのか、そのリアルな原因と、施工時に気をつけるべきプロの対策について詳しく解説します。

1. 築浅物件の雨漏り原因は「FRP防水のピンホール」にあり
今回のU様邸を調査したところ、原因はおそらく新築時の防水工事が完了した直後からの長雨。排水溝の「入隅(いりずみ:壁と床が交わる内側の角)」にできた、ほんの小さなピンホール(微細な穴)から雨水が侵入したと考えられます。

ベランダの防水で最も一般的な「FRP防水」の施工では、この入隅部分の処理が非常に難しいのです。

⚠️ なぜ排水溝の角に穴(ピンホール)ができるのか?
入隅部分が「直角」のままだと、防水の要であるガラスマットを重ねて敷く(積層)際、ローラーで空気を抜く作業(脱泡:だっぽう)がうまくできません。
空気が残ってしまうと、そこが隙間(ピンホール)となり、雨漏りの原因になります。

特に、幅が狭くて深い「排水溝」の中は手元が狂いやすく、脱泡作業の難易度が跳ね上がります。雨水が一番集中して流れる場所だからこそ、わずかな施工の不備が命取りになってしまうのです。

2. ベランダのFRP防水で雨漏りを防ぐ「9つの鉄則」
ベランダからの雨漏りを確実に防ぐためには、下地作りから仕上げまで、以下のような極めて緻密な施工基準を守る必要があります。

もしこれから新築・リフォームをされる方は、業者選びや施工チェックの参考にしてみてください。

① ガラスマットの厚み確保: 防水材メーカーの仕様に従い、十分な厚みをしっかり持たせる。

② 下地材の段差解消: 下地(木板など)の継ぎ目に、段差や隙間がないように綺麗に整える。

③ 硬化剤の規定量を厳守: 気温に応じた適切な硬化時間を計算し、混ぜる量を間違えない。

④ 排水溝の形状をシンプルに: 施工がしにくく防水層が崩れる原因になるため、複雑な下地形状は避ける。

⑤ 入隅・出隅の面取り: 角っこ(入隅・出隅)には面木やパテを使い、あらかじめ丸み(面取り)をつけて空気を抜けやすくしておく。

⑥ 徹底的な脱泡(空気を抜く): 下地からの浮きや、ガラスマット内の気泡がゼロになるまで十分にローラーをかける。

⑦ 樹脂の粘度調整: 気温に合わせた適切なドロドロ加減(粘度)の樹脂を使い、液だれやガラスマットのヨレを防ぐ。

⑧ 樹脂の塗厚をキープ: 規定量をケチらずにしっかり塗り込み、規定の厚みを確保する。

⑨ 表面の凹凸をなくす: ガラスマットにシワや凹凸を残さない。特に出っ張った角(出隅)は防水層が薄くなりやすいので細心の注意を払う。

この記事の監修者

株式会社 LOVE STYLE
代表取締役 阿部 泰三

雨漏り修理・雨桶工事・屋根工事業者として工事に携わり30年以上。工事監督などの実績を持つ「株式会社 LOVE STYLE」の代表取締役。

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