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お客様からのご相談
I様から雨漏りのご連絡をいただきました。
I様のお宅は、竣工してからまだ1年も経っていない木造3階建ての戸建て住宅です。
調査を行ったところ、雨漏りが多く発生していたのは西側の壁面でした。漏水が確認された箇所は全部で5か所あり、そのうち4か所はサッシの上枠から水が漏れていました。残りの1か所は、空調機付近からの雨漏りでした。
サッシ上枠から漏れ出した水の侵入経路を調べてみると、上の階にある窓の縦枠や下枠から雨水が侵入しているケースが多く見られました。窓まわりから入り込んだ雨水が壁の内部を伝い、下の階にある窓の上枠にたまって、室内側へ流れ出していたのです。
実際に、1階で起こっている雨漏りの原因が、2階の窓まわりから侵入した雨水だったというケースはよくあります。場合によっては、3階から侵入した雨水が2階ではなく1階に漏れてくることもあります。今回のI様邸でも、侵入箇所と漏水箇所が一対一で対応していなかったため、原因の特定には慎重な調査が必要でした。
小屋裏の部屋の窓から侵入した雨水は、3階和室と2階居間の各窓の上枠へ流れていました。また、2階居間にある窓の縦枠と下枠から侵入した雨水は、1階納戸の窓まわりから雨漏りとして現れていました。このように、木造住宅の雨漏りは非常に複雑です。
雨水の侵入口となっていたのは、窓枠まわりに施工された防水シートと防水テープの間にできた、密着不良によるすき間でした。
一般的に、窓まわりの施工は次のような手順で行われます。
サッシを建物にはめ込む
サッシ枠のつばの上に防水テープを張る
防水シートを張る
しかし、防水シート・防水テープ・サッシ枠のつばの間に密着していない部分があると、雨水はそのすき間から容易に壁体内へ侵入してしまいます。密着不良は、施工時の押さえ作業が不足している場合などに発生します。
今回のように複数の箇所で雨漏りが発生していることからも、防水テープや防水シートの密着効果を過信してはいけないことが分かります。
I様には、改善策として「捨てシーリング材」の施工をご提案しました。施工手順は次の通りです。
サッシ枠を建物にはめ込む
防水テープを張る
防水シートを張る
防水シートの端部がおさまるサッシ枠の入隅部分に、捨てシーリングを充填する
この方法であれば、防水シートとサッシ枠のつば、防水テープとサッシ枠との間に多少の密着不良があったとしても、シーリング材で雨水の侵入を防ぐことができます。
捨てシーリングは、サッシの上枠と縦枠に施工します。一方で、下枠部分については、防水シートの先張りを行う方法をご提案しました。あらかじめ躯体に防水シートを張り、サッシ枠を組み込んでから、先張りしたシートに別のシートを差し込む施工方法です。
こうすることで、上から流れてくる雨水を途中で滞らせることなく、スムーズに外部へ排出することができます。
雨漏りは、室内で水が出ている場所だけを見ても原因を特定できないことがあります。特に木造3階建ての住宅では、上階から侵入した雨水が壁の内部を伝い、まったく別の階や部屋で漏水することもあります。
そのため、雨漏りを確実に止めるには、漏れている場所だけでなく、雨水がどこから侵入し、どのような経路で流れているのかを丁寧に調査することが重要です。
今回の事例でも、窓まわりの防水処理におけるわずかなすき間が、複数箇所の雨漏りにつながっていました。窓まわりは雨漏り調査の中でも特に多い箇所であり、全体の3〜4割を占めることもあります。
一見すると複雑に見える雨漏りでも、部材の構成や施工方法を見直すことで、改善できるケースは少なくありません。
お客様の声












