南房総市にあるアパートのオーナーA様より、「3階の部屋で雨漏りが発生して困っている」とのご相談をいただきました。現地は築20年の鉄筋コンクリート造のアパートで、屋根やバルコニーではなく、外壁タイル目地からの浸水が疑われるケースでした。調査では、外壁のタイル目地に充填されているシーリング材の被着不良を確認。さらに散水調査を行ったところ、シーリング材の背面にある躯体目地部分から水が通り、結果的に室内に浸水していることが判明しました。実際には、躯体目地にバックアップ材のみが詰められ、肝心のシーリング材が施工されていなかったという施工不良が原因でした。このため、該当箇所のタイルを一部撤去し、躯体目地にシーリング材をしっかりと充填。その後、新たにタイルを張り直し、タイル目地と躯体目地を正確に合わせて再度シーリング施工を行いました。見えない構造内部の不備が、数年を経て表面化することは少なくありません。今回のような症状は、外壁塗装や屋根点検だけでは発見しづらいため、専門的な調査が不可欠です。