見上げる不安を安心に!スレートからガルバ屋根への葺き替え軌跡

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ご依頼内容
屋根工事
使用材料
ガルバリウム鋼板

お客様からのご相談

「最近、大雨が降ると二階の天井にうっすらと小さな影が見えるような気がして……。気のせいなら良いのですが、一度プロの目で見ていただけませんか」

お電話をくださったのは、築25年を迎える一軒家に杉並区のK様でした。どこか遠慮がちで、しかし切実な響きを含んだその声に、私たちはすぐに資材を車に積み込み、現地へと向かいました。

到着して早速、梯子を架けて屋根の上に登らせていただくと、そこに広がっていたのは予想以上に深刻な光景でした。かつては美しい漆黒や濃灰色を呈していたであろうスレート瓦は、完全にその表面の塗膜を失い、白っぽく退色していました。それどころか、湿気を含んだまま乾燥を繰り返したことで、あちこちにひび割れや欠けが生じ、全体に苔やカビが深く根を下ろしている状態でした。まるで、長年の戦いで満身創痍になった盾のようでした。

「これは、単なる色褪せではありません。スレート自体が水分を吸って脆くなっており、すでに防水の役目を果たせなくなっています」

撮影した写真を地上でお見せすると、お施主様は深くため息をつかれました。「やっぱりそうでしたか。見上げるたびに、次の台風で剥がれてご近所に飛んでいってしまわないか、ずっと不安だったんです。雨漏りが本格化して、家の中まで腐ってしまったらどうしようと、夜も眠れない日がありました」。その言葉に、私たちは住まい手の抱えてこられた目に見えない重圧の深さを知りました。塗装での延命は不可能と判断し、既存の屋根をすべて撤去して一新する「葺き替え工事」をご提案しました。

梅雨の晴れ間を狙い、いよいよ工事が始まりました。足場が組み上がり、家全体がメッシュシートに包まれると、現場は独特の緊張感に包まれます。職人たちの手によって、役目を終えた古いスレート瓦が、一枚、また一枚と丁寧に剥がされていきました。長年蓄積された砂埃や、パリパリに硬化した古い防水シート(ルーフィング)が姿を現します。

スレートをすべて撤去した後に現れた野地板(木製の土台)は、幸いにも致命的な腐食には至っていませんでしたが、数カ所で雨水の侵入による変色が見られました。「ここで食い止められて本当によかった」。職人が呟いた言葉は、まさに私たちの本音でした。これ以上遅ければ、天井の梁や柱まで傷み、大掛かりな構造補修が必要になるところだったのです。

まずはこの土台を補強するため、新しい構造用合板を上から隙間なく張り増していきます。コンコンと心地よい金属音が響き、歪みのあった屋根面がみるみるうちに強固な平滑面へと整えられていきます。その上から、家全体の防水の要となる改質アスファルトルーフィングを、下から上へと重ね合わせて敷き詰めました。これで、万が一強い風で雨水が逆流したとしても、一滴の水すら家の中へ通さない強固な一次防水ラインが完成したことになります。

そしてついに、新しい主役である「ガルバリウム鋼板」の出番です。今回採用したのは、遮熱・断熱材が一体となった最新の縦ひら(立平)葺き材です。従来の金属屋根のような安っぽい雨音の響きを大幅に軽減し、夏の強烈な太陽光も跳ね返す優れものです。

現場に運び込まれた長尺の鋼板は、屋根の頂点から軒先まで、継ぎ目のない一枚物。職人たちが息を合わせ、一枚ずつ正確に、均整の取れた間隔で固定していきます。軒先から見上げると、整然と並ぶ縦の美しいハゼ(嵌合部)が、まるで定規で引いた線のように真っ直ぐに空へと伸びていきます。鈍い輝きを放つ上品なメタリックグレーの肌は、重厚でありながら軽やかで、モダンな佇まいを醸し出していきました。

棟(屋根の最上部)には、雨の侵入を防ぎつつ、小屋裏の熱気や湿気を効率よく外に逃がすための「換気棟」を設置。これにより、ただ雨を凌ぐだけでなく、家全体が呼吸し、長持ちするための仕組みが整いました。細部のコーキング(防水処理)まで一点の妥協もなく仕上げ、すべての工程が完了しました。

お客様の声

これで、どんな大雨が来ても大丈夫ですね

この記事の監修者

株式会社 LOVE STYLE
代表取締役 阿部 泰三

雨漏り修理・雨桶工事・屋根工事業者として工事に携わり30年以上。工事監督などの実績を持つ「株式会社 LOVE STYLE」の代表取締役。

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