陸屋根は雨漏りしやすい?構造・防水工法・寿命

平屋・二階建て・マンション問わず、近年人気が高まっている「陸屋根(フラットルーフ)」。
屋上として使える・すっきりした外観・ソーラーパネル設置がしやすいなどメリットが多い一方で、
最も雨漏りリスクが高い屋根形状であることは意外と知られていません。

原因の多くは、防水層の劣化や排水機能の低下が気づかれないまま進行してしまうことです。

屋根は建物の最後の防水ラインです。特に陸屋根は、施工精度・排水計画・定期メンテナンスが非常に重要で、
わずかな劣化が内部構造へ影響し、気づいた頃には大きな修繕が必要になるケースも少なくありません。

ここでは、陸屋根の特徴・雨漏りしやすい理由・防水工法・メンテナンス方法について詳しく解説します。

陸屋根とは?

陸屋根(りくやね)とは、マンションや鉄筋コンクリート造の建物で多く採用されている
傾斜の少ない平らな屋根形状のことを指します。

雨水が自然に流れにくいため、排水ドレン・防水層・笠木(外周部の仕上げ)の状態が
建物の寿命に大きく関わります。

陸屋根が雨漏りしやすい理由

陸屋根の構造は勾配屋根と違い、雨水が留まりやすく、次のような要因が雨漏りに直結します。

  • 防水層の経年劣化(ひび割れ・膨れ・亀裂)
  • 排水口(ドレン)の詰まりや腐食
  • 紫外線・温度差・雨風による防水材の硬化や剥離
  • 地震や交通振動によるクラックの進行
  • 水が溜まり、乾燥と湿潤を繰り返すことで防水寿命が短くなる

特に冬、雪が屋上に残り続けると、ゆっくりとクラックへ浸入し、
気付かないうちに室内へ染み込むケースも多く見られます。

陸屋根で採用される主な防水工法

防水工法によって特徴やメンテナンスサイクルが異なります。

  • ウレタン防水:密着性が高く補修性◎。複雑な形状に対応。耐用年数8〜12年。
  • FRP防水:硬くて強く歩行可。バルコニーや屋外利用に向く。耐用年数10〜15年。
  • シート防水(塩ビ・ゴム):耐候性が高く大型建物向き。耐用年数12〜20年。
  • アスファルト防水:歴史・耐久性ともに実績が高く、商業施設やマンションに多い。

どの工法も表面のトップコートが消耗品であり、ここを放置すると劣化が一気に進行します。

住宅でも増えている陸屋根設計

最近では、住宅でも屋上テラスやルーフバルコニーとして陸屋根が採用されるケースが増えています。

アウトドアリビング、家庭菜園、プール、バーベキュースペースなど、暮らしの楽しみ方が広がる反面、
「外部利用=負荷が増える」という側面もあります。

重たい家具・プランター・タイルデッキなどが載ることで床面に負担がかかり、
防水層に微細な傷が入るケースもあります。

陸屋根の雨漏りを防ぐために重要なこと

  • 排水口(ドレン)の定期清掃
  • 年1回以上の防水層目視点検
  • 表面トップコートの定期施工(目安:5〜7年)
  • 重たい家具は直置きせず保護材を敷く
  • 10〜15年を目安に防水工法ごとに改修を検討

陸屋根は「問題が出てから修理する」のではなく、
劣化予兆を見逃さず、早期・軽微な段階で補修することが結果的に建物寿命を伸ばし、費用を抑えます。

まとめ

陸屋根は、屋上として活用できる魅力的な構造である一方、防水層の劣化や排水トラブルが起きやすい形状です。
ひび割れ、水たまり、塗膜剥離、排水詰まりなどのサインが見られる場合は、早めの点検・補修が重要です。

定期メンテナンスを行うことで、雨漏りリスクを大幅に減らし、安心して長く暮らすことができます。

この記事の監修者

株式会社 LOVE STYLE
代表取締役 阿部 泰三

雨漏り修理・雨桶工事・屋根工事業者として工事に携わり30年以上。工事監督などの実績を持つ「株式会社 LOVE STYLE」の代表取締役。

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