川崎市でコンクリート打ち放し住宅の雨漏り

川崎市のU様より、コンクリート打ち放し住宅での雨漏りについてご連絡をいただきました。

コンクリート打ち放し住宅が雨漏りしやすい理由
コンクリート打ち放しは、ローコストで自由度が高く、おしゃれな意匠から近年人気が高まっていますが、その構造的な特性から、適切な防水対策が施されていないと雨漏りのリスクが高まります。施工事例の増加に伴い、雨漏り件数も増加傾向にあります。

主な原因は以下の通りです。

表面の多孔質性と防水不足：コンクリートは元々多孔質で、表面はザラついています。適切な防水処理がない場合、雨水が表面から内部へ浸透しやすくなります。

微細な亀裂の発生：コンクリートは温度変化による収縮・膨張で微細な亀裂が生じることがあります。これらの亀裂が、長期的に雨水の侵入経路となります。

保護塗装・コーティングの劣化：表面に施された塗装やコーティングが経年劣化すると、防水能力が低下し、雨水が浸入しやすくなります。

施工時の隙間・欠陥：コンクリート壁と窓枠、ドア枠、サッシ枠といった接合部に施工不良や隙間が残ると、そこから雨水が内部へ侵入する主要な経路となります。

外部からの浸透：多孔質なため、防水処理が不十分だと、雨水がコンクリート壁の内部にまで浸透し、雨漏りを引き起こします。

建物の耐久性を確保するためには、施工時の防水処理と定期的なメンテナンスが非常に重要です。

U様邸の特定された原因と修繕方法
今回のU様邸の雨漏り原因を調査した結果、モルタル仕上げの外壁とサッシの取り合い部分からの雨水浸入が判明しました。

修繕方法
以下の手順で、確実な止水面を形成し、雨水の侵入を防ぐ修繕を実施しました。

面合わせ材の取り付け：木づりとサッシの釘打ちフィンの間に段差が生じないよう、面合わせ材を取り付け、平らな下地を作りました。

止水面の形成：平らに面合わせした上から両面粘着の防水テープを貼り付け、さらにその上にアスファルトフェルトを取り付け、確実な止水面を形成しました。

【湿式仕上げの場合の注意点】
外壁に通気層を設けない湿式仕上げの場合、アスファルトフェルトの代わりに透湿防水シートを使用する際には注意が必要です。透湿防水シートを使うと、湿気が透過し、内部結露を引き起こす可能性があります。また、取り付けビスやピンタッカーの穴から侵入した雨水が排出されずに滞留するリスクもあるため、適切な材料選定と施工が求められます。

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