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お客様からのご相談
O様より、2階の居室で雨漏りが発生しているとのご連絡をいただきました。O様のお住まいは、築15年の鉄骨造3階建て戸建て住宅です。外壁は白い窯業系サイディングをベースに、アクセントとしてグレーの溶融アルミ亜鉛合金めっき鋼板が縦張りで施工されており、3階にはシート防水仕上げのルーフバルコニーがありました。
雨漏りしている2階の居室を確認すると、壁際の棚の上に雨漏り受けのバケツが置かれていました。築15年の建物としては漏水量が多く、単なる表面的な劣化ではない可能性がありました。赤外線サーモグラフィーで確認すると、梁下にまだ水分が残っていることが分かったため、その時点では散水調査を行うことができませんでした。
雨漏り箇所の真上には、3階ルーフバルコニーの手摺壁の笠木と外壁の取り合い部分がありました。笠木には部分的に水が残っており、外壁との取り合い部のコーキングも老朽化していました。そのため、まずはこの部分から雨水が浸入した可能性が高いと判断し、コーキングと防水テープで応急処置を行いました。
O様には、雨漏り直後で内部に水分が残っているため、正確な調査は後日改めて行う必要があることをご説明し、いったん応急処置後の様子を見ていただくことになりました。
しかし、約1か月後に再び雨漏りが発生したとのご連絡をいただきました。現地を確認すると、前回応急処置をした防水テープには異常がありませんでした。強風雨があったわけでもなかったため、表面の笠木まわりだけが原因ではないと判断し、壁の内部を一部解体して確認することにしました。
手摺壁の笠木と外壁の取り合い部分のサイディングを剥がすと、下地の縦胴縁や透湿防水シートに雨水が浸入した跡が確認されました。さらに調査を進めると、外壁の透湿防水シートの下端部が、床から壁へ立ち上げたシート防水の室内側に納められていることが分かりました。
この納まりでは、サイディングの裏側へ入り込んだ雨水が透湿防水シートの表面を流れ、そのまま室内側へ導かれてしまいます。本来であれば、透湿防水シートはシート防水や土台水切りの屋外側に納め、雨水を外へ排出できる構造にする必要があります。
今回のようなルーフバルコニーまわりは、大工工事、防水工事、板金工事、サイディング工事など複数の職種が関わるため、取り合い部分で不具合が起こりやすい箇所です。表面のコーキングだけを補修しても、内部の防水ラインが誤っている場合は雨漏りを止めることができません。
そこで、まず透湿防水シートとシート防水、土台水切りの隙間をコーキングと防水テープで塞ぎました。これにより、透湿防水シートの表面を流れた雨水が室内側へ回り込まず、土台水切りからシート防水側へ排水されるように改善しました。
その後、O様と相談し、3階外壁のサイディングの上から鋼板を張るカバー工法で改修することになりました。まず既存サイディングの目地やサッシまわりをコーキングで塞ぎ、サイディングの内側へ雨水が入りにくい状態にしました。さらに、手摺壁の笠木とサイディングの取り合い部分も入念にコーキングし、隙間を処理しました。
次に、鋼板張りの下地となる横胴縁をサイディング表面に取り付けました。横胴縁を固定する位置は、既存サイディングの内側にある縦胴縁の位置と合わせ、十分な強度を確保しました。
仕上げに使用する鋼板は、既存外壁の縦張りデザインに合わせ、雨漏りが発生していない部分も含めて3階外壁全体をカバーしました。3階屋根と壁の取り合いであるパラペットの笠木についても、鋼板縦張りによって外壁の厚みが増えた分、大きめの笠木で覆うようにしました。
雨水の浸入箇所となっていた鋼板縦張りと手摺壁の笠木部分は、特に丁寧にコーキング処理を行いました。仮に将来的に表面のコーキングが劣化しても、既存サイディング表面にもコーキング処理を施しているため、雨水がすぐに室内へ侵入しにくい構造になっています。
今回の雨漏りは、笠木まわりの劣化だけでなく、透湿防水シートとシート防水の納まり不良が根本的な原因でした。外壁の表面だけを見ても分からない不具合でしたが、内部を確認したことで雨水の流れを把握し、適切な改修につなげることができました。
最終的には、雨漏りの原因部分を補修したうえで、3階外壁全体を鋼板カバー工法で仕上げたため、防水性を高めながら外観にも統一感のある仕上がりになりました。
お客様の声











