お客様からのご相談
U様のお宅は、築27年程度の木造住宅です。最近天窓から
雨漏りがあることに気づいたそうで、伺って原因を調べてみました。
水切り部に土、埃が詰まり、雨水が
水切りからあふれ、水が屋根材の表面に流れ出し、釘穴まで水が伝わ
っていました。化粧スレートとアスファルトルーフィングを剥がすと
野地板も浸水していました。登り淀（※）も劣化が見られました。屋根材
を施工する前の熱、紫外線による劣化により化粧スレートの
アスファルトルーフィングが波打ったように膨れていました。膨れているところ
の棟側には、あふれた水がたまっていました。そこに釘があると浸水
しやすくなります。釘穴よりも棟側の雨水侵入後は、毛細管現象
による浸水と推測できます。また、平部の野地板にも浸水が見られ
ました。全体的にみると、天窓の立ち上がりコーナー
の下葺材の施工不良、捨て水切りの施工不良が主な原因だと思われます。
少しずつ浸水し続けた結果、野地板や垂木が腐食してしまいました。
雨漏り箇所の修繕だけではなく、野地板や、垂木までも交換が必要に
なりました。これらは早めの対応がとても重要になってきます。
天窓は、外からの視線が気にならない採光法として、特に都心部の家には
良く使われているようです。家の中に自然光が届き、空間を明るくする
効果がある反面、雨漏りのトラブルは増え続けています。
（※）切妻先端の垂木に、屋根勾配に沿って取り付ける横板のこと
