世田谷区で塗装後の雨漏り　-2-

昨日の続きになります。
N様から相談をうけ、さっそく屋根の状態を調べたところ、すぐに
雨漏りの原因に気づきました。スレート瓦の重なり部が塗り替えの際の
塗装で埋まっていたのです。
工務店の見解では屋根には不具合が無いとのことでしたが、スレート屋根の
重なり部が塗料で埋まっている状態そのものが不具合です。
本来スレート屋根の重なり部分には適切な空間がなければなりません。
大雨や台風時にスレート屋根の裏側に雨水が浸入する場合がありますが、
スレート瓦の裏側に雨水が浸入したとしても、スレート瓦の下には
アスファルトルーフィングなどの防水シートが張られているため雨漏りすることはないのです。しかし今回のようにスレート屋根の重なり部分を塗料で塞いでしまうとスレート屋根の裏側に浸入した雨水が逃げ場を失って、スレート瓦を止めている釘の貫通部などを伝って屋根裏にまわりこみ雨漏りをおこしてしまうのです。
なので、スレート屋根を塗り替える際には塗装が乾いた後、皮スキと呼ばれる金ベラ状の道具やカッターナイフを使って重なり部分に詰まった塗料を切る「縁切り」と言う作業が必要になります。この「縁切り」作業が不十分な場合、雨漏りが起こってしまうのは業界では常識なのですが、残念ながら知らない工務店や塗装業者も存在することは確かです。
最近は、スレート瓦塗り替えの際の縁切不足を補い、スレート瓦の裏側にたまった雨水をスムーズに排出するために開発された縁切り専用部材も使われています。

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