
お客様からのご相談
Y様から雨漏りの連絡がありました。
 Y様は築20年数年ほどのマンションにお住まいです。調べてみますと、
 雨漏りは、Y様の直上住戸から侵入した雨水によるものでした。雨水
 の侵入箇所は、壁面下端に設けた押さえモルタル(葉佩)
 の上部のひび割れ箇所でした。
 いろいろな雨漏り対応の現場を経験してみると、残念ながら施工が
 甘いため雨漏りが生じている例が少なくないです。
 その代表例が「水切りあご」を設けていないことです。
 今回もまさにそのケースでした。
 モルタルで防水層の端部を押さえていたのに、モルタル上端部にひび割れが生じ
 て雨水が侵入したようです。補修では防水層をアングル
 で固定し、その上に「水切りあご」を設けました。この
 ように「水切りあご」が無い場合雨漏りが発生する確率が
 非常に高いです。
 築10年を超えると、押さえモルタルの上端部に
 亀裂が入ったり、幅木の上端部のシーリング材に剥離が生じたり
 して雨水が侵入しやすくなるのです。防水層の立ち上がり部分には
 モルタルの付着を良くするためにラス(金網)を用いますが、
 これがさびて破断するのです。モルタル上端部ののひび割れがさらに
 広がり、侵入する雨水が増えるという悪循環に陥るのです。
 改善策としては、今回の事例のように躯体とラスを機械的に
 固定するアングルを用いる方法を提案しています。ラスには
 ステンレス製を用い、アングルに取り付けます。さらにアングル
 上端部にはシーリングを施しますが、この部分に水がかからない
 ように別途水切りを設けるのです。雨漏りはとても重大な
 欠陥です、建物の設計者や施工者は建物をつくってから分かる
 不具合に注目し、雨漏りが起こらないおさまりや、耐久性を
 長くするおさまりを設計や施工に盛り込む必要があります。
 
 











