
スタッフより
半年前、世田谷区のE様から雨漏りの相談を受けました。
E様のお宅の屋根には太陽光パネルが設置されています。
調べてみますと、屋根材を緊結する釘や、野地板を垂気木にとめる釘頭が
さびており、野地板に結露と思われる跡があることも確認できました。
しかし、すぐ原因を断定することはできず、少し長い時間をかけて経過を観察しました。
その結果、屋根材の各部が年中結露していることが分かりました。
具体的には屋根材を緊結する釘の頭部は夏場に、貫通した胴部は冬場に、
また野地板の釘は夏場に結露して錆びている状態です。
結露が屋根の腐朽や劣化を進行させた可能性が大きいことが分かりました。
原因が特定できたので、E様とどのように屋根修理するか相談しながら決めていくことに
なりました。
太陽光パネルは、東日本大震災を機に急激に普及し、東京都が
2022年から新築一戸建てに太陽光パネルの設置を義務化したこともあり
今後もさらに普及し続けるでしょう。しかし、
太陽光パネルを屋根に設置することは屋根に負担をかけることなので、
太陽光パネルの設置が増えてから、雨漏りトラブルは、増える一方です。
特にパネルを後付けした家は要注意です。
原因は、一言でいうと、設置業者の技術、知識、経験不足によるものです。
取り付け金具を屋根に直接ビスで固定して施工する際に、ビス穴の隙間から
雨水が侵入して雨漏りが起こっているのです。日射を受ける屋根の
下の野地板は、高温になって水分を放出、高湿な環境を作り出しています。
一方、太陽光パネルの下の野地板は低温になるため周囲の湿気を集めて水分含有量が
高くなります。よって、腐朽、劣化し、耐久性が低下する状況が生み出されます。
太陽光パネルの設置がうまくいっていないと、パネルの背面に配線のたるみができ、
パネルと屋根の間に隙間が生じるので、そこに落ち葉などがたまり、
そこに鳥が巣を作ったり、雨水が溜まったりして雨漏りが生じます。