お客様からのご相談
昨日の続きになります。手摺壁の天端の施工は、下地木材の上に防水紙を張り、その上に固定金具をビスで留めつけて、最後に笠木を被せます。ビス穴を開けるので、その穴から内部に浸水する可能性が最も高いです。そのリスクを軽減することが肝要です。下穴シーリングの効果が高いのはその通りですが、正しい施工方法で充填されている現場は非常に少ない印象です。間違った施工例で最も多いのは、ビス頭の周囲だけにシーリング材を充填する方法です。大切なのは、ビス穴内部にシーリング材を充填することであって、いくら大量のシーリング材を載せても全く効果はないのです。シーリング材の充填以外にも、間違った雨漏り修理の施工例を見かけます。よく目にするのは、笠木の継ぎ目にアルミテープを貼ったり、バックアップ材やシーリング材を重点したりする方法です。継ぎ目をふさぎ、浸水を防ぐのが狙いなのは分かります。しかし、これは無意味なのです。通常、笠木の継ぎ目の下は、笠木の長手方向と直角に捨て板を置きます。捨て板には長い溝が切ってあり、侵入した雨水をそこから排出する構造になっています。笠木は温度による伸縮があるので、継ぎ目を完全に塞ぐのは難しいです。だからこそ、こうした排水の仕組みを備えているのです。それを理解していれば、継ぎ目のアルミテープなど無駄なことをしなくて済むのです。











