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お客様からのご相談
世田谷区にお住まいのY様から、雨漏りについてのご相談をいただきました。
Y様のお宅は、築15年の木造2階建て住宅です。屋根材には平板瓦が使用されており、屋根の形状は切妻屋根でした。北面には天窓があり、南面には太陽光発電パネルが設置されていました。
断熱仕様は、天井断熱と屋根断熱を併用したつくりで、断熱材にはグラスウールが使われていました。
きっかけは、太陽光発電パネルの点検会社による定期点検でした。点検の際、小屋裏に水垂れのような跡が見つかり、「このまま放置すると屋根が腐ってしまうので、早めに屋根工事をした方がよい」と説明を受けたそうです。
さらに、現在の平板瓦をガルバリウム鋼板屋根へ葺き替えることまで提案されたとのことでした。
しかしY様は、「水垂れがあるだけなのに、なぜ屋根全体の葺き替えが必要なのか」と不信感を抱かれ、弊社へ調査をご依頼くださいました。
現地で室内を確認すると、2階の一部にロフトが設けられており、その上部は屋根断熱を施した勾配天井になっていました。北面の勾配天井には天窓があり、その下端部には水が垂れたような跡が残っていました。
Y様は、天窓からの雨漏りではないかと心配されていました。そこで天窓まわりを詳しく調査しましたが、ガラス面やサッシまわりから雨水が直接侵入した形跡は確認できませんでした。
一方で、野地板の位置から水が垂れていることが分かりました。また、天窓の下端の両端には、よだれのような茶色い染みが残っていました。この染みは、外部からの雨水ではなく、野地板を経由して流れてきた結露水によるものと判断しました。
つまり今回の症状は、屋根材の不具合による雨漏りではなく、屋根内部で発生した結露が原因だったのです。
屋根断熱の住宅では、室内の暖かく湿った空気が天井や屋根まわりのすき間から小屋裏側へ入り込むと、冷えた野地板付近で結露を起こすことがあります。特に天窓まわりは、屋根面に開口部があるため温度差が生じやすく、断熱や気密の処理が不十分だと結露が発生しやすい箇所です。
今回も、天窓下端部や野地板まわりに水垂れの跡が集中していたことから、雨水の侵入ではなく、室内側の湿気が屋根面で冷やされて水滴となり、天窓まわりへ流れていたと考えられました。
調査の結果、屋根全体を葺き替える必要はないと判断しました。平板瓦や天窓の外部まわりに大きな異常は見られず、原因は屋根材そのものではなかったためです。
Y様には、屋根の葺き替えではなく、天窓まわりの断熱・気密処理の見直しと、小屋裏の換気改善をご提案しました。
具体的には、天窓まわりの断熱材の状態を確認し、湿気の影響を受けている部分を補修しました。また、室内側から湿った空気が屋根内部へ入り込まないよう、気密処理を行いました。あわせて、小屋裏内の空気がこもらないよう換気経路も確認し、結露が再発しにくい状態に整えました。
工事後は、雨の日だけでなく寒暖差が大きい日にも状況を確認していただきましたが、以前のような水垂れや茶色い染みの広がりは見られなくなりました。
今回の事例では、見た目だけでは雨漏りのように見える症状でも、実際には結露が原因でした。もし最初の提案どおり屋根全体を葺き替えていたとしても、結露の原因である断熱・気密・換気の問題が解消されなければ、同じ症状が再発していた可能性があります。
雨漏りと結露は、どちらも水の跡として現れるため、判断が難しいことがあります。特に天窓まわりや勾配天井、小屋裏では、雨水なのか結露水なのかを丁寧に見極めることが重要です。
Y様邸では、屋根の葺き替えではなく、原因に合わせた部分的な補修で対応することができました。不要な工事を避けるためにも、雨漏りや水垂れが見つかった際は、まず正確な原因調査を行うことが大切です。
お客様の声












