川崎市でサッシ周りの雨漏り　-2-

昨日のブログの続きになります。
雨水を速やかに排出するためには、サイディングとサッシ上枠の間を完全にシーリングするのではなく、一部を開放しておくことが非常に重要です。具体的には、サッシ上枠の端から5〜10cm程度の範囲のみにシーリングを施し、残りの部分は開放状態を保つことをお勧めします。これにより、サイディング裏側から流れ落ちてきた雨水がサッシ上枠に溜まることなく、外部へ排出される経路を確保できます。

しかし、残念ながら多くの住宅施工現場では、サッシ上枠の隙間を全長にわたってシーリングで塞いでしまうケースが見受けられます。施工者にその理由を尋ねると、「外からの水がサイディングの裏側に入らないようにするため」という回答がしばしば返ってきます。これは、「建物の内部には雨水が侵入する可能性があるため、それを適切に排出する必要がある」という認識が欠如していることに他なりません。建物の構造上、サイディングの裏側には少なからず雨水が回り込む可能性があります。重要なのは、その水が内部に留まらないよう、適切な排出経路を設けることです。
さらに、サイディングを取り付けるための「縦桟とサッシ上枠の取り合い（納まり）」にも細心の注意が必要です。縦桟をサッシ上枠に突き付けて固定してしまうと、雨水が溜まりやすくなる傾向があります。これは、サイディングの縦目地に沿って流れ落ちてきた雨水が、縦桟によって堰き止められ、サッシ上枠上での水位が上昇するためです。結果として、サッシのツバ（水切り）を越えて室内側へと雨水が侵入し、雨漏りを引き起こすリスクが高まります。
このように、職人による何気ない施工が、後々の雨漏りの原因となることは少なくありません。建物の防水性を確保するためには、雨水の挙動を理解し、その排出経路を考慮した施工が不可欠です。サイディングとサッシの接合部における適切なシーリングの考え方、そして縦桟の配置方法について、より一層の知識と意識の向上が求められます。これらのポイントを押さえることで、長期にわたって安心して暮らせる住まいを実現できるでしょう。

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