杉並区で複雑な雨漏り　-1-

杉並区のS様から雨漏りしているのですぐ来て欲しい、との連絡が入りました。
S様のお宅は、新築の木造3階建ての戸建て住宅です。
調べてみると、雨漏り箇所は東側壁面に集中していました。
発生した箇所は5か所で、そのうちの4か所がサッシ
上枠から水が漏れていました。残りの1か所は空調機付近からの
雨漏りです。サッシの上枠に漏れ出した水の侵入箇所を検査
してみると、上の階にある窓の縦枠や下枠から侵入しているこ
とが多いです。窓の縦枠や下枠から侵入した雨水が壁内を
通って下の階にある窓の上枠にたまります。それが窓内側に流れ出して
雨漏り現象となります。雨水の浸入口は、窓枠の周辺に施した防水シート
と防水テープとの間の密着していないすき間でした。一般的な窓まわりの
サッシを組み込み、サッシ枠のつばの上に防水テープ
を張り、防水シートを張る、というのが施工の手順ですが、
シートとテープとつばの間に密着していないすき間があると、
雨水は容易に壁体内に浸入してしまうのです。密着不良は施工時
の押さえ作業不足に起因することが多いです。施工者は
密着効果を過信してはいけないことが分かります。

1階で起こっている雨漏りが実は2階から浸入した雨漏りだったと
いうことはよくあります。それどころか3階から浸入した雨水が
2階ではなく1階に漏れたという事例も少なくありません。1か所だけと
思っていた雨漏りの浸入口が実は複数あったためなかなか雨漏りが
おさまらないというケースもあります。ただ、一見して複雑そうに見える
事例も経験豊富なプロの視点によると、一定の傾向が分かっており
部材の構成や施工方法を工夫することで解消できることもあります。

明日に続きます。

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