屋根断熱構造における結露発生の要因と防止対策

施工後の写真
ご住所
東京都杉並区
ご依頼内容
雨漏り修理

お客様からのご相談

I様から連絡がありました。築数年なのに雨漏りがあるとのことでした。
屋根を3方パラペットの鋼板立て平ぶき片流れとした2階建ての木造住宅です。
この住宅を施工した工務店は倒産しているということで弊社に依頼がありました。

早速調べてみますと、小屋裏ではくっきりとシミがありました。
さらに屋根に上がってみますと、小屋裏のシミは片流れ屋根の水上側で
パラペットの立ち上がり部の真下に位置していることが分かりました。
水下側の軒天には給気口となる軒先の換気口がありました。
さらに小屋裏を調べてみると、屋根断熱は垂木の間に充填している
袋入りグラスウールでした。袋の一部を垂木の位置で重ねてステープルで
留めていました。これでは面材や気密テープで押さえていないため
室内からの湿気が断熱材の裏に浸入しやすいことが想定されます。
グラスウールと野地板の間には30mm以上の通気層が確保されていました。
さらに雨漏りの有無を確認するために散水試験を行いました。
パラペット、片流れ屋根の水上側、笠木へ散水してみましたが雨漏りは
発生しませんでした。
小屋裏のシミの原因を確認するために通気層内を調べると野地板の
室内側にびっしりとカビが生えていました。グラスウールの袋の中にも
水が入っている部分があり、他の垂木間を見てもカビが発生していました。
このように広範囲にわたって野地板にカビや水滴が見られる場合、結露が
原因であることがほとんどです。よって今回のケースも結露によるシミ
と判定しました。

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