
お客様からのご相談
保育施設のオーナーのM様から連絡がありました。
バルコニー下の廊下天井から雨漏りがあるとのことでした。
この建物は築20年超の鉄骨造です。
調べてみますと、1階の園庭に面した廊下の窓側天井の
黒ずみが目立ちました。豪雨になると廊下が水たまりになり、
モップで吸い取るのに時間がかかるとのことでした。
新築時の施工業者が倒産しているため、様々な業者に調査を
依頼しましたが解決に至らなかったとのこと。
2階のバルコニーは乾式の2重床にになっていました。
バルコニーのシート防水上に支柱が並べられてセメントタイルが
敷き詰められていました。雨漏りの状況が酷いので排水ドレンが
詰まりを疑いましたが、そうではありませんでした。
まず、散水試験を行いました。初めに排水ドレンや手摺の壁際に
散水しましたが、漏水はありませんでした。
壁際の半端なセメントタイルが全部斜めになっておりその下を確認すると
シート防水が縮んで支柱が斜めになっていました。
ほぼ全周で縮んでいましたが、裂けたり穴が開いたりするほどの劣化は
ありませんでした。
コーナー部を確認するとシートの上端角が水切りより内側に引っ張られて
いて、隙間がありました。水切りを伝わった水がその隙間からシート防水
の裏へ入る状態でした。開いている隙間に散水しますと廊下の天井から
漏水が確認されました。また、壁伝いで10mほど漏水が確認されました。
これより、このシート防水のコーナー部の隙間から侵入した雨水が
壁伝いに雨漏り現象を引き起こしていることが分かりました。
しかし、通常では見られない広範囲の雨漏りなので、他の雨水侵入口
があるのではないかと思われました。そこで、コーナー部の隙間を
ふさぐのではなく、縮んだシート防水全体を張り替えてみることを
提案しました。
明日に続きます。











