お客様からのご相談
昨日のブログの続きになります。実験の結果、2階南側の床面の固有振動数は、5.5Hzから7.1Hzへと上昇しました。揺れ幅は、0.78cmから0.44cmに現象しました。建物の重量が軽くなったために固有振動数が上がり、揺れが小さくなって、耐震性が増加したと考えられます。さらに実験を行った場所の地盤の固有振動数は3Hzだった点を踏まえると、屋根の改修後は、建物と地盤がより共振しにくくなったことが分かります。今回の実験では、耐震診断ソフトを使っての検証も実施しました。使用したソフトは、日本建築防災協会の木造住宅耐震診断プログラムの評価をうけている「木耐博士」です。屋根荷重の変化に対する耐震改修時の影響を検証しました。その結果、壁のみの耐震改修では17か所の回収が必要となりました。一方、屋根の軽量化と合わせて行えば、壁の改修箇所を6か所に抑えられると分かりました。試算すると、壁のみ17か所と屋根と壁の計6か所の回収費用は同程度でしたが、屋根の回収を同時に行うことで、耐震だけでなく、住宅の劣化・維持管理対策の効果も期待できます。壁の改修箇所が少なければ、家財道具の移動も減らせるので居住者の負担も少なくなります。屋根と壁を同時に改修するメリットは大きいです。I様は、今回瓦屋根からアルミニウム・亜鉛合板メッキ鋼板製の屋根材に葺き替えることになりました。











