お客様からのご相談
昨日のブログの続きです。以上の問題点を念頭に置き、雨水侵入の箇所を調べて分かったことが1階サッシ上部のサイディング材にはクラックに加え、相じゃくり(材の継ぎ目)にわずかな隙間があり、暴風雨に見舞われた際にその隙間から雨水が浸入した模様です。雨水はまぐさ上部にとどまり、サイディングを留め付けた釘穴から透湿防水シートの内側に入り込みました。さらに侵入した雨水はまぐさとサッシ枠のわずかな隙間からサッシ枠上部のビス穴に到達します。その結果雨漏りが生じたのです。雨漏りの根本原因は柱と胴縁の断面構成が不適切で、通気層をきちんと確保できていなかった点にあります。それが、まぐさ上部に水がたまりやすい状況をつくってしまいました。この状況では透湿防水シールに穴があれば簡単に雨水侵入してしまいます。この現場で通し柱を120mm角にしたのは、耐震性の確保などの構造面の理由があるかもしれません。仮にそうであれば、間柱の厚さも120mmにそろえるなど雨仕舞に考慮した納まりにすべきだったのです。今回のケースのように工務店の倒産によってお客様が住宅瑕疵担保責任保険を利用する場合、保険適用の対象は雨漏りに起因する範囲の修理に限定されます。理想は、通し柱と間柱の厚さをすべてそろえ、根本的な解決を図りたかったのですが、保険適用ということでそれはかないませんでした。改修工事では、問題の箇所のサイディング材を交換するとともにサイディング目地のシーリング材を打ち替えました。相じゃくり部分にもシーリング材を充填したりと、暴風雨でも通気層への雨水侵入が可能な限り防げるようにしました。











