お客様からのご相談
F様の建物の屋上で定期点検をいたしました。降雨のあとでしたので、防水層表面の水たまり部分がチョーキング現象を起こしているのを見つけました。白い粉の正体は、古くなった塗膜(塗料の膜)が粉状になったものです。これは劣化症状の初期の段階です。仕上げ塗装はポリエステル樹脂系のトップコートを使用していました。ポリエステル樹脂系のトップコートは、塗装面が低温であったり結露したりする部分に塗装した場合、完全に硬化せず、未硬化の状態になることがあります。その状態で降雨などによる市う水分が塗装面にたまると、加水分解しチョーキング現象が起きます。またポリエステル樹脂系のトップコートは気温の夏季の高温期だけでなく気温が低い冬にも表面の硬化不良を起こすことがあるため、注意が必要です。ポリエステル樹脂系のトップコートには、表面を完全に硬化させる機能をもった添加剤が含まれています。しかし、添加剤は夏季の極高温の場合はトップコートの硬化の遅れとともに析出が不十分となったり、また冬季の極低温の場合にもトップコート何に溶解し析出が不十分になったりするなど、思わぬ硬化不良を起こすことがあります。そのほか、室内や水槽などの現場でも、含まれる溶剤の滞留により、トップコートの硬化が想定通りいかない場合があります。











