お客様からのご相談
E様から雨漏りの連絡がありました。小屋裏を調べてみますと、電気配線が防湿、気密層を破っていることが分かりました。天井断熱でも、5層を明確に区分して計画することの重要性は屋根断熱と同様です。ただし、通気層が小屋根裏換気層とも呼ばれています。天井断熱で多い不具合は、天井直上工法で、防湿・気密層と断熱層をダウンライトなどの電気配線やダクト配管が破ることによります。電気配線・ダクト配管層が「層」になっておらず、防湿・気密層や断熱層の一部をくりぬいて設けるだけになるからです。断熱材を桁上や桁下に充填する工法にすれば、電気配線・ダクト配管層が明確に区分されるので、防湿・気密層や断熱層の欠損を防止できます。どうしても天井直上工法にしたい場合は、ダウンライトなどの設置個所を箱状にくりぬいて気密処理を入念に施す必要があります。断熱材を小屋裏側から施工する桁上工法と天井直上工法で、ブローイング工法を採用する場合は、小屋裏端部の換気経路を断熱層が塞いで、結露が発生します。換気経路を断熱層と区切る「せき板」の施工が不適切なことによるものです。ブローイング工法では小屋裏端部を吹き残して断熱層に欠損が生じる不具合も小屋裏端部は吹込み用のホースが届きにくいうえ、狭くて作業性が悪く施工状態を確認しづらいのです。さらに繊維系断熱材を使う場合、本来は防風層が必要になりますが、小屋裏でのブローイング作業の邪魔になるという理由で施工していない現場がほとんどです。その点、桁下工法ならばブローイングでも屋内側から不織布シートと合板の間に断熱材を吹き込む方法を採用できます。端部の施工確認が容易で、合板が防風層と屋根断熱で推奨する工法と同様に、合板を透湿防水シートの防水層で天井断熱では、外壁の断熱材の取り合い部分に気流止めを忘れる不具合も少なくありません。気流止めがないと小屋裏の外気が壁体内に浸入して、壁内結露や断熱性能の低下を生じさせるので、注意が必要になります。











