お客様からのご相談
Y様から2階の居室からの雨漏りがあるとの連絡を受けました。Y様のお宅は、築20年の鉄骨造2階建てで、外壁をALC板(※1)で覆われています。原因を調べるため、外壁調査が、塗装やシーリング材に問題はありませんでした。Y様によれば、5年前に業者に屋根と外壁の塗装を依頼した際、セメント瓦を割られたとのことでした。そこで壁にはしごを掛けて目視で調べると、すぐに問題点が見つかりました。軒先で、セメント瓦の下に軒先水切りが設置されていなかったのです。弊社では、この手のトラブルを何度か経験しているので、今回も同様のものであると推定されました。Y様に2つの改修計画を提案しました。1つ目は屋根全面粘土瓦に葺き替える方法です。費用は200万円くらいかかりますが、セメント瓦は廃版品なので、長期的に見ればおススメの方法です。2つ目は、軒先部分のセメント瓦だけを改修する方法で、費用は60万程度です。Y様は後者を選択されました。軒先から3段分のセメント瓦を剥がして新しい屋根下地に交換し、軒先の水切りを設置します。まず、軒先のセメント瓦を剥がしてみると、防水紙や鼻桟(※2)に濡れた跡が残っていました。鼻桟の濡れ具合から、軒先に雨水が溜まっていた可能性が高いと推定されました。さらに軒とけらばが交わる隅角部の化粧破風板を剥がすと、黒ずんで腐朽している破風板が出てきました。野地板の先端も層状剥離を起こしていました。明日に続きます。(※1)軽量気泡コンクリート(※2)瓦と野地面の馴染みを良くするために、野地の流れ尻に打ち付けられた部材。











