カバー工法で起きた屋根と外壁の取り合い不具合

ご住所
東京都杉並区
ご依頼内容
雨漏り修理

お客様からのご相談

昨日のブログの続きになります。さらにカバー工法には最大の欠点があります。この欠点は、母屋から差し出して造られた屋根や庇など、屋根の上に外壁が乗っているような部位でのみサイディングボード張り仕上げの外壁では、下屋根の雨押え板金の上部に隙間があります。この隙間はサイディングボードと構造合板との間の通気層であり、雨水がサイディングを越えて浸入した際の出口でもあります。工事によって新規の雨押えが取り付けられています。工事前は、サイディングの裏にまわった雨水が、雨押さえとサイディングの隙間から排出され、屋根材の上を流れて軒桶へと適切に処理されていました。しかし、工事後の納まりではサイディングの裏側に入り込んだ雨水が、新規に張られたアスファルトルーフィングと新規に葺かれた屋根材の間に入り込むことになります。新規アスファルトルーフィングがあるので、ダイレクトに雨漏りすることはありませんが、雨水が軒桶に到達するまでのスピードが圧倒的に遅くなって万一排出が追い付かなくなってしまうほどの雨水がサイディングの裏側に浸入した場合は、水切り板金の立ち上がりを越えて雨水が室内にあふれだしてしまう可能性があります。しかし、このようなカバー工法による納まりは、決して間違っていないのです。実際に、屋根メーカーの施工仕様書でも、このような納まりで施工されるように指示されています。施工者の知識不足、技量不足ではなく、この工法の構造的な問題なのです。

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